Japanische Klassiker mit Furigana
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もぐら
土竜
佐左木 俊郎
Lesen Sie 土竜 (もぐら) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.991 Zeichen · 21 Bildschirme
――ほして、汝も少し休め。うむ、ヨーギ。」と一本の小さな栗の木を指しながら言った。
鎌を持って立っていたヨーギは、向こうの栗の小枝にかかっている佩嚢を取りに駈けて行った。その間竜雄は、無言のまま梅三爺の前に「敷島」の袋を突き出していた。
「や、これはこれは、どうもまあ……」
梅三爺は勿体なさそうにして、恭しく一本の煙草を抜き取った。併し、抜き取っては見たが、この貴重なものに、火をつけたものかどうかと、暫く躊躇の様子を見せた。その間に竜雄は、無雑作に、火をつけて、ぷかぷかと貪り吸った。煙は薄蒼白く、燻銀の空から流れる光線の反射具合で、或いは赤紫に、ゆるやかに縺れて灌木の叢の中に吸い込まれて行った。
梅三爺は、白毛混じりの無精髯にかこまれた厚い唇を、いやに尖らして、その高貴な煙草――自分ではかつて一度も買ったことのない、一年に一度くらいの割合で、珍しい相手から一本を限度として与えられる、貴重な煙草の真の味わいを味わいつくそうと努めた。けれども爺は、その一本の半分とは燻らさないうちに唐鍬の柄でそうっと揉み消した。そして、佩嚢から、なでしこの刻み煙草を取り出し、二三度吸った。