Japanische Klassiker mit Furigana
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ちはゆたかなり
地は饒なり
宮本 百合子
Lesen Sie 地は饒なり (ちはゆたかなり) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.874 Zeichen · 57 Bildschirme
四
けれども、生れたばかりの赤子が、どうして彼の赤子であることを自覚しよう。それと同様に、すべての内在的原因を自覚し得ない彼女は、ただ衝突する周囲の者を見、自分の延そうとする手を否応なしに折り曲げさせようとするもののみを感じたのである。
四
―月―日
「真面目であれと云われる。それだのにほんとの真面目さは圧し殺され、自信をもって進めと云われつつ、引き戻されるのはなぜか」
彼女のその頃のノートは、こういう種類の言葉に満たされてある。
「自分の一生懸命な質問は、明かに弱味を見せたくなさ、尊敬を失いたくなさに根差している虚勢で、お為ごかしの否定を与えられ、また或る種の人々は、彼の口軽な、頓智のいい戯談で、巧にはぐらかしてしまう。それで自分がすまされると思うのか、今に忘れるだろうとでも思って、そんな当座まぎれをするのだろうか、非常に、非常に不愉快な心持がする。
経験の尊ぶべきことについて、屡々語られる。真に経験は尊い。けれども、その尊ばるべき経験は、いつも年長者の経験のみに限られているのはなぜか、我々の経験をすべて参考として、お前達自身の経験をより深く、より価値のあるものとせよとは、なぜ云われないのか。