Japanische Klassiker mit Furigana
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ちちゅうま
地中魔
海野 十三
Lesen Sie 地中魔 (ちちゅうま) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.599 Zeichen · 50 Bildschirme
お尋ねしますが、海の方角に、煙が立っていますが、あれは何です」
「さあ、まだ報告が来ていませんが――」といって横浜の方では答えたが「ああ、ちょっと待って下さい。今報告が入りました。あッ大変です。たいへんたいへん」
「たいへんとは?」
「港内に碇泊している例のエンプレス号が突然火を出したのです。原因不明ですが、火の手はますます熾んです。この上は、あの百万弗の金貨をおろさにゃなりますまい」
ああ、エンプレス号の怪火。果してそれは過失か、それとも……。
一度危機は去る
「さあ急げ、全速力だ!」
大江山課長は、車上に突立って叫んだ。自動車は、驀進する――
「もっと速力を出せ。出せといったら出さんかッ」
課長は満面を朱に染めて呶鳴った。
「もうこれで一杯です。これ以上出すと、壊れます」
「壊れてもいいから、やれッ。岩に、また一杯喰わされるよりはましだッ」
もう目を明いていられぬような速力だ。自動車は空を走っているように思えた。サイレンの恐ろしい呻り声が、賑やかな大通を、たちまち無人の道のようにした。
やっと、恨みの残る波止場へ出た。なるほど燃えているのはエンプレス号だった。