Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちちゅうま

地中魔

海野 十三

Lesen Sie 地中魔 (ちちゅうま) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.599 Zeichen · 50 Bildschirme

Aozora Bunko

はッと驚いて、頭をあげてみると、いままで岸壁のように揺らぎもしなかった鉄扉が、すこしずつ手前の方へ開いてくるのだった。

九死に一生!

扉は重いと見えて、ほんの少しずつ拡がっていった。

「お、親分?」

と三吉の頭の上で、太い声がした。

(もう駄目だッ)

と三吉は思った。敵も敵、岩の子分である。上からは岩が恐しい眼を剥き、下からは逞しい子分が腕を鳴らしているのである。三吉の進退は、まったく谷まってしまったのであった。

だがしかし、さすがは少年探偵として、師の帆村荘六から折紙をつけられている三吉のことだった。九死のうちにも、僅かな隙を見出す機転と胆力とがあった。

「おお、気をつけろ。その辺に小僧が逃げこんでやしないかッ」

と上から岩がどなった。

「えッ」

と下にいる子分は、階段の下をジロジロと眼をくばった。しかし三吉の姿はどこにも見えなかった。階段の蔭にも、扉のうしろにも……。

「いませんぜ、親分」

「そんなことはないんだが……」と岩も不思議そうにまわりを見たが、やっぱりいない。「ハテナ。たしかにこっちへ来たはずなんだが」

「親分、もう時間がありませんぜ」

「そうか。