Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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じぞうそん

地蔵尊

徳冨 蘆花

Lesen Sie 地蔵尊 (じぞうそん) von 徳冨 蘆花 (とくとみろか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.006 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

そうして我儕が折角骨折って小石を積み上げて居ると、無慈悲の鬼めが来ては唯一棒に打崩す。ナポレオンが雄図を築くと、ヲートルルーが打崩す。人間がタイタニックを造って誇り貌に乗り出すと、氷山が来て微塵にする。勘作が小麦を蒔いて今年は豊年だと悦んで居ると、雹が降って十分間に打散す。蝶よ花よと育てた愛女が、堕落書生の餌になる。身代を注ぎ込んだ出来の好い息子が、大学卒業間際に肺病で死んでしまう。蜀山を兀がした阿房宮が楚人の一炬に灰になる。人柱を入れた堤防が一夜に崩れる。右を見、左を見ても、賽の河原は小石の山を鬼に崩されて泣いて居る子供ばかりだ。泣いて居るばかりならまだ可い。試験に落第して、鉄道往生をする。財産を無くして、狂になる。世の中が思う様にならぬでヤケを起し、太く短く世を渡ろうとしてさまざまの不心得をする。鬼に窘められて鬼になり他の小児の積む石を崩してあるくも少くない。賽の河原は乱脈である。慈悲柔和にこにこした地蔵様が出て来て慰めて下さらずば、賽の河原は、実に情無い住み憂い場所ではあるまいか。旅は道づれ世は情、我儕は情によって生きることが出来る。地蔵様があって、賽の河原は堪えられる。