Japanische Klassiker mit Furigana
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こうふ
坑夫
Lesen Sie 坑夫 (こうふ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.690 Zeichen · 283 Bildschirme
「そうさ、十九じゃ若いもんだ。働き盛りだ」
と、どうしても働かなくっちゃならないような語気である。自分はだまって床几を離れた。
正面に駄菓子を載せる台があって、縁の毀れた菓子箱の傍に、大きな皿がある。上に青い布巾がかかっている下から、丸い揚饅頭が食み出している。自分はこの饅頭が喰いたくなったから、腰を浮かして菓子台の前まで来たのだが、傍へ来て、つらつら饅頭の皿を覗き込んで見ると、恐ろしい蠅だ。しかもそれが皿の前で自分が留まるや否や足音にパッと四方に散ったんで、おやと思いながら、気を落ちつけて少しく揚饅頭を物色していると、散らばった蠅は、もう大風が通り越したから大丈夫だよと申し合せたように、再びぱっと饅頭の上へ飛び着いて来た。黄色い油切った皮の上に、黒いぽちぽちが出鱈目にできる。手を出そうかなと思う矢先へもって来て、急に黒い斑点が、晴夜の星宿のごとく、縦横に行列するんだから、少し辟易してしまって、ぼんやり皿を見下していた。
「御饅頭を上がんなさるかね。まだ新しい。一昨日揚げたばかりだから」
かみさんは、いつの間にか盆を拭いてしまって、菓子台の向側に立っている。