Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
こうふ
坑夫
Lesen Sie 坑夫 (こうふ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.690 Zeichen · 283 Bildschirme
そんな無用の弁は、どうでもいいとして、自分が眼を開けて見たら、夜は全く明け放れていた。下ではもうがやがや云っている。嬉しかった。窓から首を出して見ると、また雨だ。もっとも判然とは降っていない。雲の濃いのが糸になり損なって、なっただけが、細く地へ落ちる気色だ。だからむやみに濛々とはしていない。しだいしだいに雨の方に片づいて、片づくに従って糸の間が透いて見える。と云っても見えるものは山ばかりである。しかも草も木も至って乏しい、潤のない山である。これが夏の日に照りつけられたら、山の奥でもさぞ暑かろうと思われるほど赤く禿げてぐるりと自分を取り捲いている。そうして残らず雨に濡れている。潤い気のないものが、濡れているんだから、土器に霧を吹いたように、いくら濡れても濡れ足りない。その癖寒い気持がする。それで自分は首を引っ込めようとしたら、ちょっと眼についた。――手拭を被って、藁を腰に当てて、筒服を着た男が二三人、向うの石垣の下にあらわれた。ちょうど昨日ジャンボーの通った路を逆に歩いて来る。遠くから見ると、いかにもしょぼしょぼして気の毒なほど憐れである。自分も今朝からああなるんだなと、ふと気がついて見ると、人事とは思われないほど、向へ行く手拭の影――雨に濡れた手拭の影が情なかった。