Japanische Klassiker mit Furigana
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こうふ
坑夫
Lesen Sie 坑夫 (こうふ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.690 Zeichen · 283 Bildschirme
と聞かれた時は、初さんの傍にいる事も忘れて、ただおやっと思った。立すくむと云うのはこれだろう。立ちすくんで、硬くこわ張り掛けたところへ「新めえだ」と云う声がした。この声が自分の左の耳の、つい後から出て、向うへ通り抜けた時、なるほど初さんがついてたなと思い出した。それがため、こわ張りかけた手足も、中途でもとへ引き返した。自分は一歩傍へ退いた。初さんに前へ出てもらうつもりであった。初さんは注文通り出た。
「相変らずやってるな」
とカンテラを提げたまま、上から三人の真中に転がってる、壺と賽を眺めた。
「どうだ仲間入は」
「まあよそう。今日は案内だから」
と初さんは取り合わなかった。やがて、四つや丸太の上へうんとこしょと腰をおろして、
「少し休んで行くかな」
と自分の方を見た。立ちすくむまで恐ろしかった、自分は急に嬉しくなって元気が出て来た。初さんの側へ腰をおろす。アテシコの利目は、ここで始めて分った。旨い具合に尻が乗って、柔らかに局部へ応える。かつ冷えないで、結構だ。実はさっきから、眼が少し眩らんで――眩らんだか、眩らまないんだか、坑の中ではよく分らないが、何しろ好い気持ではなかったが、こう尻を掛けて落ちつくと、大きに楽になる。