Japanische Klassiker mit Furigana
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こうふ
坑夫
Lesen Sie 坑夫 (こうふ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.690 Zeichen · 283 Bildschirme
初さんの姿が見えるうちに下りてしまわないと、下り損なうかも知れない。面目ない事が出来する。早くするに越した分別はないと決心して、いきなり後ろ向になって初さんのように、膝を地につけて、手で摺り下りながら、草鞋の底で段々を探った。
両手で第一段目を握って、足を好加減な所へ掛けると、背中が海老のように曲った。それから、そろそろ足を伸ばし出した。真直に立つと、カンテラの灯が胸の所へ来る。じっとしていると燻されてしまう。仕方がないから、片足下げる。手もこれに応じて握り更えなくっちゃならない。おろそうとすると、指で提げてるカンテラが、とんだところで、始末の悪いように動く。滅多に振ると、着物が焼けそうになる。大事を取ると壁へぶつかって灯が揉み潰されそうになる。親指へカップを差し込んで、振子のように動かした時は、はなはだ軽便な器械だと思ったが、こうなると非常に邪魔になる。その上梯子の幅は狭い。段と段の間がすこぶる長い。一段さがるに、普通の倍は骨が折れる。そこへもって来て恐怖が手伝う。そうして握り直すたんびに、段木がぬらぬらする。鼻を押しつけるようにして、乏しい灯で透かして見ると、へな土が一面に粘いている。