Japanische Klassiker mit Furigana
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こうふ
坑夫
Lesen Sie 坑夫 (こうふ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.690 Zeichen · 283 Bildschirme
――何しろ十九だ。――働き盛りだ。――今のうち儲けなくっちゃ損だ」
と一句、一句間を置いて独り言のように述べている。
要するにこのかみさんも是非坑夫になれと云わぬばかりの口占で、全然どてらと同意見を持っているように思われた。無論それでよろしい。またそれでなくってもいっこう構わない。妙な事にこの時ほどおとなしい気分になれた事は自分が生れて以来始めてであった。相手がどんな間違を主張しても自分はただはいはいと云って聞いていたろうと思う。実を云うと過去一年間において仕出かした不都合やら義理やら人情やら煩悶やらが破裂して大衝突を引き起した結果、あてどもなくここまで落ちて来たのだから、昨日までの自分の事を考えると、どうしたって、こんなに温和しくなれる訳がないのだが、実際この時は人に逆うような気分は薬にしたくっても出て来なかった。そうしてまたそれを矛盾とも不思議とも考えなかった。おそらく考える余裕がなかったんだろう。人間のうちで纏ったものは身体だけである。身体が纏ってるもんだから、心も同様に片づいたものだと思って、昨日と今日とまるで反対の事をしながらも、やはりもとの通りの自分だと平気で済ましているものがだいぶある。