Japanische Klassiker mit Furigana
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こうふ
坑夫
Lesen Sie 坑夫 (こうふ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.690 Zeichen · 283 Bildschirme
長蔵さんはこの時何か返事をしかけたんだろうがふと自分と顔を見合せたものだから、そのまま厚い唇を閉じて横を向いてしまった。その顔について廻って、腐爛目は、
「まただいぶん儲かるね」
と云った。自分はこの言葉を聞くや否やたちまち窓の外へ顔を出した。そうして窓から唾液をした。するとその唾液が汽車の風で自分の顔へ飛んで来た。何だか不愉快だった。前の腰掛で知らない男が二人弁じている。
「泥棒が這入るとするぜ」
「こそこそがかい」
「なに強盗がよ。それでもって、抜身か何かで威嚇した時によ」
「うん、それで」
「それで、主人が、泥棒だからってんで贋銭をやって帰したとするんだ」
「うんそれから」
「後で泥棒が贋銭と気がついて、あすこの亭主は贋銭使だ贋銭使だって方々振れて歩くんだ。常公の前だが、どっちが罪が重いと思う」
「どっちたあ」
「その亭主と泥棒がよ」
「そうさなあ」
と相手は解決に苦しんでいる。自分は眠くなったから、窓の所へ頭を持たしてうとうとした。
寝ると急に時間が無くなっちまう。だから時間の経過が苦痛になるものは寝るに限る。死んでもおそらく同じ事だろう。しかし死ぬのは、やさしいようでなかなか容易でない。