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Japanische Klassiker mit Furigana

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こうふ

坑夫

夏目 漱石

Lesen Sie 坑夫 (こうふ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.690 Zeichen · 283 Bildschirme

Aozora Bunko

岩にあたって砕ける所は比較的判然と白くなっている。そうしてその声がさあさあと絶え間なくする。なかなかやかましい。それでなかなか淋しい。

その中細い道が少しずつ、上りになるような気持がしだした。上りだけならこのくらいな事はそう骨は折れないんだが、路が何だか凸凹する。岩の根が川の底から続いて来て、急に地面の上へ出たり、引っ込んだりするんだろう。この凸凹に下駄を突っ掛ける。烈しいときは内臓が飛び上がるようになる。だいぶ難義になって来た。長蔵さんと赤毛布は山路に馴れていると見えて、よくも見えない木下闇を、すたすた調子よくあるいて行く。これは仕方がないが、小僧が――この小僧は実際物騒である。冷飯草履をぴしゃぴしゃ云わして、暗い凸凹を平気に飛び越して行く。しかも全く無言である。昼間ならさほどにも思わないんだが、この際だから、薄暗い中でぴしゃりぴしゃりと草履の尻の鳴るのが気になる。何だか蝙蝠といっしょに歩いてるようだ。

そのうち路がだんだん登りになる。川はいつしか遠くなる。呼息が切れる。凸凹はますます烈しくなる。耳ががあんと鳴って来た。これが駆落でなくって、遠足なら、よほど前から、何とか文句をならべるんだが、根が自殺の仕損いから起った自滅の第一着なんだから、苦しくっても、辛くっても、誰に難題を持ち掛ける訳にも行かない