Japanische Klassiker mit Furigana
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じんあいとひかり
塵埃と光
寺田 寅彦
Lesen Sie 塵埃と光 (じんあいとひかり) von 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.366 Zeichen · 5 Bildschirme
池の面の波紋でも実験されるように、波の長さが障碍物の大きさに対して割合に小さいほど、横に散らされる波のエネルギーの割合が増す。従って白色光を組成する各種の波のうちでも青や紫の波が赤や黄の波よりも多く散らされる。それで塵の層を通過して来た白光には、青紫色が欠乏して赤味を帯び、その代りに投射光の進む方向と直角に近い方向には、青味がかった色の光が勝つ道理である。遠山の碧い色や夕陽の色も、一部はこれで説明される。煙草の煙を暗い背景にあてて見た時に、青味を帯びて見えるのも同様な理由によると考えられる。
このように、光の色を遮り分ける作用は、塵の粒が光の波の長さに対して、あまり大きくなればもう感じられなくなる。それで、遠景の碧味がかった色を生ずるような塵はよほど小さなもので、普通の意味の顕微鏡的な塵よりも一層微細なものではないかと疑いが起る。
普通の顕微鏡では見えないほどの細かい塵の存在を確かめ、その数を算定するために、アイケンという人が発明した器械がある。その容器の中の空気に、充分湿気を含ませておいてこれを急激に膨張させると、空気は膨張のために冷却し含んでいた水蒸気を持ち切れなくなるために、霧のような細かい水滴が出来る。