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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぼちてんぼうてい

墓地展望亭

久生 十蘭

Lesen Sie 墓地展望亭 (ぼちてんぼうてい) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 46.485 Zeichen · 93 Bildschirme

Aozora Bunko

――なんという運命の無邪気な厚意。

しかし、これも、瞬時のときだった。

竜太郎は、すぐこの感情を恥じ、心の中で、赤面した。

竜太郎は、口早に老人に、たずねた。

「あなたは、仏蘭西人ですか」

老人は、誇らしげに答えた。

「いや、リストリア人です」

「あなたは、ご存じでないでしょうか。王女エレアーナは、いま、どうしていらっしゃいますか」

老人は、心の痛苦に耐えるといったふうに、眼を閉じた。

「ここにいるわれわれの皆が、憂慮っているのは、ただひとつ、そのことなのです。……しかし、あなたは、どうしてそんなことを……」

柔和にたれ下っていた瞼を急におし上げ、肚の底まで見とおすような鋭い眼差で、竜太郎の眼を見かえした。

「あなたの国籍は?」

この半生に、まだ一度も感じなかったような、たとえようもない誇らしさと、矜持と、優越を感じながら、竜太郎が、こたえた。

「私は日本人です!」

老人は、口の中で、ほう、というような短い驚嘆の叫びを上げてから、

「その、日本人のあなたが、どうして、こんなところへ……」

竜太郎は、エレアーナ姫と偶然に南仏の海岸で知り合いになったことを話し、たいへん思い出の深いお交際だったので、戴冠式の晴れの行列を見物しようとしてやって来たこと。