Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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つぼ

壺

山本 周五郎

Lesen Sie 壺 (つぼ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.624 Zeichen · 34 Bildschirme

Aozora Bunko

、どうしてよいか自分でもわからなくなってしまいます、旦那さま……本当に壺はこの土の中に埋まっているのでございますか、本当に……」

又右衛門は杉の梢を見あげた、地面には靄が這っているけれども、空はぬぐいあげたように晴れ、満天の星があざやかにきらきらと瞬き耀いている、又右衛門はやや暫くその星空をふり仰いでいたが、やがてしずかな声で云った、「……壺は埋まっている、だが埋まっていないかも知れぬ、もし七郎次にそのちからがあれば、埋まっていようといまいと壺は必ずみつかるだろう、肝心なことはかれにそのちからがあるかないかだ、壺の有る無しではない」その言葉がなにを意味するか、おぬいにはむろんわからなかった、「それはどういうわけでございますか」「……口で云うことはできない、だがもう間もなくわかる、おそらくは四五日うちに……」おまえは心配をしないで帰って寐るがよい、そう云って又右衛門は屋敷のほうへ去っていった。

山なみの上に浮いた白い断雲が一日じゅう動かずにぎらぎらと光っている、そういう猛暑の日がさらに五六日つづいた或る日、七郎次が執念の鬼のような形相で草地を掘り返していると、ふいにうしろから「七郎次、おまえそれはなんだ……」