Japanische Klassiker mit Furigana
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へんなあたま
変なあたま
辻 潤
Lesen Sie 変なあたま (へんなあたま) von 辻 潤 (つじじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.590 Zeichen · 9 Bildschirme
凡そこの世の中でなにが[※3]羨ましいといって、自分の仕事に夢中になって没頭している人間ほど羨ましい者はない。自分には今それがまったくなくなっているからである。単に生存を持続するために惰性でその日を暮らしている程みじめな存在はあるまい。自分のような人間が上海にでもいるとすれば必ず阿片窟の住人になってしまっているに相違ない。嗚呼! なんとかして自分を蠱惑(みわく)するに足る対象がほしいものだ!「廃人」のくせに贅沢をいうな――と叱られるかもしれないが、人間は出来ればどんなにぜいたくをしても一向差支えないものだと私は思っている。しかし、ぜいたくは決して無限ではなくすぐと種切れになってしまうのが人生なのである。人間のぜいたくの極は結局「茶の湯」に還元されてしまうらしい。自分には今のところ場末の酒場でスベタ女給を相手に悪酒に泥酔する能力さえなくなってしまっているのである。ひるがえって飢餓に瀕している農村の人々を見よ!――と正義人道に燃えたつ幾多の志士仁人が叫んでいる。叫んでいる人達も同じく飢餓に瀕している――まじめな勤労の人々が無数に飢えているのだ。自分のような役にも立たん人間が生きているのはまことに申しわけのない次第だと思っている。