Japanische Klassiker mit Furigana
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へんなおとこ
変な男
豊島 与志雄
Lesen Sie 変な男 (へんなおとこ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.508 Zeichen · 81 Bildschirme
「だって可笑しいんですもの。」
「何が?……どうかしましたか?」
笑いの発作が静まって、少し落付いてから、澄子はなおくすくす残り笑いをしながら、今井との対話を話してきかした。
辰代はじっと聞いていた。今井が嘘を云ったことについては、さほど怒りはしなかったが、愛のことになると、むきになって腹を立てた。澄子は喫驚した。
「まあ、可笑しなお母さんだわ!」
辰代は澄子の云うことなんかは耳にも入れなかった。
「失礼にも程があります。人の娘に向って、それもほんの子供に向って、何というぶしつけな厚かましいことでしょう。お父さんが亡くなられてから、人様をお世話していますが、それほど踏みつけにされるようなことを、私はまだ一度もした覚えはありません。嘘をついて人の家にはいり込んできておいて、こちらで親切にしてやれば、図々しくつけ上って、何をするか分りはしません。私は何も道楽でこんなことをしてるのではありませんよ。払いも満足に出来ないくせに、何ということでしょう。眼に余ることがあっても、お気の毒だと思って、随分親切に尽してあげたつもりです。それなのに恩を仇で返すようなことをされて、いくら私でも、もうそうそうは辛抱出来ません。