Japanische Klassiker mit Furigana
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へんなおとこ
変な男
豊島 与志雄
Lesen Sie 変な男 (へんなおとこ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.508 Zeichen · 81 Bildschirme
」
「じゃあ借りません。」
「では破約しますね。」
「破約ですって……私はまだ借りると約束した覚えはありません。」
「そんならそれでいいです。お帰りなすって構いません。」
「そうですか。」
そして手荒く閉める格子の音が聞えたので、辰代は何ということもなしに、慌てて飛んで出た。学生は平気で振向いた。
「やあ、すっかり聞いていられたんですか。」
辰代は表の方を覗き見ながら云った。
「あなたあんなことを!」
「なあに構うもんですか。あんなあやふやな奴は駄目ですよ。借りるならどんなことがあっても借りる、借りないなら断じて借りない、という風にはっきりしていなければいけません。あんな意志の弱い煮えきらない者をおかれても、碌なことはありません。」
辰代は仕方なしに腰を下してみたが、それでも心が落付かなくて、また立上って奥の室へはいっていった。其処には澄子がくすくす笑っていた。それを此度は辰代の方が、台所へ引張っていった。
「何を笑ってるのですよ!……どうしましょう?」
「あの人にお室を貸したらいいじゃありませんか。」
「でもねえ、あんなでは……。」
「随分図々しい人だけれど、あの人のは、図々しさを通り越して滑稽だわ。