Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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なつのそうれつ

夏の葬列

山川 方夫

Lesen Sie 夏の葬列 (なつのそうれつ) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 60.161 Zeichen · 122 Bildschirme

Aozora Bunko

に、ぼくにつづいていたし――いや、ことによると、ぼくのなかで確実に生きていたのは、その二つだけだったかもしれない。ぼくは、地上とは別世界にいるその一種凜烈な感覚を、忘れていた宝石に見入るように、鋭く眩しい光の矢のように胸にかんじていた。

そしていま、ぼくは天に居を移しているのだ。地上から去ることを『死』と呼ぶのだとしたら、間違いなく、いま、ぼくは『死』の世界にいるのだ。『死』の世界から、『生』の世界をながめている。

……でも、ぼくはふとそれは戦時中、米軍の艦載機の銃撃などを受けながら実感した、あのなつかしい「生きている」感覚と同じものであるのを直感した。つまり、これはあのころの経験と同じ、死と隣りあわせになったときの緊張感、快いその戦慄ではないだろうか。死を目の前にしたときの、あの生の充実感ではないのだろうか。……そしてぼくは、あのころ、自分が一つの『死』のなかからすべてを見ていたこと、依然としてその自分が『死』のなかに位置せずには『生』を充分に感じとれなくなったままでいるのをおもった。

でも、いずれにせよ、とにかく煙突の上でのその感覚は、自分が生きていることの実感には違いなかった。