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Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆうぐれのまどより

夕暮の窓より

小川 未明

Lesen Sie 夕暮の窓より (ゆうぐれのまどより) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.929 Zeichen · 4 Bildschirme

Aozora Bunko

光線の明るく射す室と、木影などが障子窓に落ちて暗い日蔭の室とがある。

其等の、さま/″\の室の中には生活を異にし、気持を異にした、いろ/\な、相互いに顔も知り合わないような人が住んでいる。

賑かな町に住んでいる人は、心を浮き立てるような笛や、ラッパの音や、楽隊の音色や、または、夕暮方の電車の音などに耳を傾けて、あてない空想に耽ったり、また、華かな瓦斯の燈火のつく頃の夜の楽しさを思うて、気がうき/\として、隣りや、向い筋から聞えて来る琴や、三味線の音色に、何んとなく、夢を見るようなうっとりとした気持になって、自分も、手にしていた紅い布を傍にやってほつれ髪を掻きあげながら、ほうっとした顔付で三味線にあわせて口ずさむ女もあろう。

また、さびしい、室の裡に物思いに沈んで、眤と下を見つめて、何事をか考えている、青い顔の年老った女があろう。窓の障子の上には、夕暮方の光線がぼんやりと染んで、頭には幾分か白髪も交って頬に寄った小皺が目立って見える……室の中には、傷いた道具が僅かばかり並べられてあるばかりで、目を惹くような貴重のものも見当らない。女は、この広い世界にたゞ独り見捨てられた人のように頼りない様子である。