Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうやけものがたり
夕焼け物語
小川 未明
Lesen Sie 夕焼け物語 (ゆうやけものがたり) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.336 Zeichen · 7 Bildschirme
一
一
三人の娘らは、いずれもあまり富んでいる家の子供でなかったのです。
ある春の末のことでありました。村にはお祭りがあって、なかなかにぎやかでございました。
三人の娘らも、いっしょにうちつれてお宮の方へおまいりにゆきました。そうして、遊んでやがて日が暮れかかるものですから、三人は街道を歩いて家の方へと帰ってゆきました。
すると、あちらの浜辺の方から、一人のじいさんが一つの小さな屋台をかついで、こっちに歩いてくるのに出あいました。それはよく毎年春から夏にかけて、この地方へどこからかやってくる、からくりを見せるじいさんに似ていました。
三人の娘らはたがいに顔を見合って、ひとつのぞいてみようかと相談いたしました。
「おじいさん、いくらで見せるの?」
と、娘の一人がいいますと、じいさんはかついでいた屋台を降ろして、笑って、
「さあさあごらんなさい、お金は一銭。」
といいました。
三人は一人ずつその屋台の前に立って、小さな穴をのぞいてみました。すると、それには不思議な、ものすごい光景が動いて見ました。よくおばあさんや、おじいさんから話に聞いている人買い船に姫さまがさらわれて、白帆の張ってある船に乗せられて、暗い、荒海の中を鬼のような船頭に漕がれてゆくのでありました。