Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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よるのくつ

夜の靴

横光 利一

Lesen Sie 夜の靴 (よるのくつ) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.056 Zeichen · 213 Bildschirme

Aozora Bunko

色を増した紅葉の間から、鮮やかな曲りで瑠璃色のあけびの実が垂れ、小豆の粒の艶麗な光沢と、毛ばだった牛蒡の種とが板の間に並ぶ。口を開いた無花果畑の方向から山鳩の湿った声が、ホッホー、ホッホーとする。

十一月――日

茗荷のうす紅い芽に日が射している。雨は過ぎたらしい。

久左衛門の家へ由良から利枝が出て来た。せつの結婚の日が定ったからであるが、新しい婿を自分が取りもったとはいえ、戦死の子と結ばるべき縁だったせつ子であれば、浮き足だった喜びに満ちている久左衛門の家には居づらいらしく、暇を見ては生家の参右衛門の炉端へ来て、愚痴をこぼしている。ところが、嫁入道具を見せる習慣があると見えて、私の妻も久左衛門の家から呼ばれて行くと、今度は、せつの姉が参右衛門の炉端へそっと脱け出て来て、これが自分の嫁入の際の無一物だった貧しさをこぼし、妹の豪華さを羨望して泣いている。

「なかなかお調度立派でしたよ。だけど、あちらはにこにこだし、こちらはめそめそだし、今日はあたしまで急がしいこと。」

妻はそう云いながら私のいる部屋へ来てから、突然、

「馬の種つけ係りって、何のことですか。