Japanische Klassiker mit Furigana
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やこうちゅう
夜光虫
織田 作之助
Lesen Sie 夜光虫 (やこうちゅう) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 66.871 Zeichen · 134 Bildschirme
小沢は豹吉を指した。
「言い分……? そんなもん、ちゃんちゃらおかしくって、言えるか」
豹吉はペッと唾を吐いた。
「君はどうだ……?」
「…………」
「君はどうだ……?」
「…………」
「君は……?」
「わては、何にもおまへん」
と、亀吉は頭をかいた。
「君はどうだ……?」
「…………」
そして、最後に唖の娘をさして、
「君は……? 言い分は……?」
「…………」
無論、彼女はだまっていたが、お加代は傍から、
「あっても、この娘は言えやしないよ。この娘は唖だよ」
と吐きだすように言った。
小沢ははっとして、薄闇をとおして唖の娘の顔を見た。
「あ!」
見覚えがある。
梅田の食堂から刺青の男に連れられて行った娘だ。
小沢はじっと見つめていたが、やがて一同の方を向くと、
「じゃ、みんな言い分がないんだね。言い分がないとすれば、喧嘩する理由がなく、喧嘩するのはくだらないじゃないか。無駄だよ。エネルギーの浪費だよ。よした方が気が利いている。よし給え……」
と、畳みかけるように言った。
龍太は微笑しながら、
「おい、豹吉、こんな奴おれ知らんよ。こんな邪魔が飛び入りしたら、もうおれは気が抜けてしもたよ。