Japanische Klassiker mit Furigana
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やこうちゅう
夜光虫
織田 作之助
Lesen Sie 夜光虫 (やこうちゅう) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 66.871 Zeichen · 134 Bildschirme
日本人として見るにしのびないのだ。渡して行ってくれ。それとも渡すのがいやだと、云うんなら、僕は、くどいようだが、もう一度君たちの前で……」
と、小沢はちらと豹吉の顔を見て、
「――演説屋の長講一席をくりかえさなくちゃならない」
龍太はだまっていた。
すると、兵古帯のお加代はいきなり、小沢の手に自分の拳銃を渡して、
「あんたに渡すのじゃないわよ。日本人全体の迷惑になる――っていう、あんたの言葉に渡すのよ」
と、言った。そして、龍太に、
「――あんたも渡したら、どう?」
「うん」
龍太はいやいや返事して、未練たらしそうな顔で、小沢に拳銃を渡した。
「ありがとう。それでこそ君たちは……」
「日本人だと言うんやろ。おだてるのはやめてくれ」
さア行こうと、隼団が引きあげると、青蛇団も引きあげかけた。
小沢はお加代を呼びとめて、
「その唖の娘は、いつから青蛇団にはいったの」
と、優しくきいた。
「今日から」
と、お加代は言って、ふとしみじみした口調になると、
「――ほら、見てやってごらん」
と、唖の娘の腕をまくり上げて、
「――可哀想に刺青の墨の色がまだ濡れてるわよ」
「刺青……?」