Japanische Klassiker mit Furigana
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やこうちゅう
夜光虫
織田 作之助
Lesen Sie 夜光虫 (やこうちゅう) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 66.871 Zeichen · 134 Bildschirme
と、つねに考えている豹吉の心にかなったわけだった。
いいかえれば、効果は十分にあったのだ。
そう思うと、豹吉はますます相手の刑事を、あっと言わせてみたくなった。
一応、取り調べが済むと、豹吉は言った。
「……ほかにもう一つ、悪いことをしました」
「ふーん。なんだ、どんなことだ」
「人を殺しました」
「えっ……?」
と、刑事は驚いた。効果はやはりテキメンだった。
「――いつ、どこで……?」
豹吉は少年らしい虚栄に胸を張って、
「今朝、六時頃渡辺橋で釣をしている男を、川へ突き落して、殺しました」
「えっ……?」
と驚いたのは刑事よりも青蛇団の連中だった。
「なるほど、釣をしていた男をか。う、ふ、ふ……」
刑事の方は気味のわるい笑いを泛べているだけだった。驚いていないのだ。
豹吉は拍子抜けした。何かすかされた感じだったから、もう一度声をはげまして、
「殺人罪です、すぐ送局して下さい。覚悟はしています」
と、言った。
「まア、そのことはあとで調べる。――とにかく、はいっとれ。おい、煙草は捨てるんだ」
にやにやしながら、一同を留置場へ連れて行った。
お加代と唖娘は女の留置場へ――。