Japanische Klassiker mit Furigana
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やこうちゅう
夜光虫
織田 作之助
Lesen Sie 夜光虫 (やこうちゅう) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 66.871 Zeichen · 134 Bildschirme
その関心の中で、一番強いのは、やはり娘の体への本能的な好奇心だった。雨に濡れたあとの動物的な感覚が、たしかにその本能へ拍車を掛けていた。ことに、裸の娘と深夜の部屋に二人きりでいるという条件は、この際決定的なものであった。
しかし、そんな風な、まるでおあつらえ向きの条件になった原因を考えると、小沢はやはりその娘の体に触れることが躊躇された。
「とにかく娘はおれに救いを求めたのだ。おれは送り狼になりたくたい」
そう思ったので、小沢はもうサバサバした声で言った。
「困るも何もない。君は一人で寝台に寝るんだ」
「でも……」
「僕は椅子の上で寝るのは馴れてるんだから……」
そう言うと、娘は暫くためらっていたが、
「じゃ、お休み」
と、言って、寝台の中へもぐり込んだ。
ちらと眼をやると、娘は掛蒲団の中へ顔を埋めている。眩しいのだろうか。
「灯り消そうか」
小沢が声を掛けると、娘は半分顔を出して、
「ええ」
天井を見つめたまま、うなずいた。
小沢は立って行って、壁についているスイッチを押した。
廊下の灯りも消えているので、外から射し込んで来る光線もなく、途端に真暗闇になった。