Japanische Klassiker mit Furigana
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やこうちゅう
夜光虫
織田 作之助
Lesen Sie 夜光虫 (やこうちゅう) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 66.871 Zeichen · 134 Bildschirme
「どうして……? 嫌いじゃないよ」
「じゃ、なんぜ……?」
「…………」
小沢は返答に困った。暗がりをもっけの倖だと思った。まだ二十歳前後の若い娘が、そんな言葉を言っている顔を見るに耐えないばかりでなく、ふと赭くなった自分にも照れていたからだ。
「やっぱり嫌いなのね」
小沢がだまっているのを見て、娘はもう一度その言葉を言った。
小沢は黙々と立ち上った。そして怒ったような顔をして娘の横へもぐり込んだ。寝台には若い娘の体温と体臭がむうんとこもっていた。
寝台は狭かったので、体温が伝わってきた。
小沢は娘の寝巻の下が、裸であることを意識しながら、かえって固くなっていた。
娘の方から寝台へ誘ったのだし、そして、べつにそれを拒みたい気もなかったので、少しはいそいそとしてそれに応じたのだし、今はもう二人があり来たりの関係に陥るには、簡単なきっかけだけが残っているに過ぎなかった。
例えば、ちょっと腕を伸ばせば、娘の体は磁石のように吸い寄せられて来るのだ。それを拒もうとする羞恥心よりも、何かにすがりつきたいという本能の方が強いというのが、女の本性であることを、小沢は知っていた。