Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

やこうちゅう

夜光虫

織田 作之助

Lesen Sie 夜光虫 (やこうちゅう) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 66.871 Zeichen · 134 Bildschirme

Aozora Bunko

「しもたッ。落した」

亀吉が叫ぶと、

「いや、掏られたんだ。あの男だなア」

小沢は今さき自分がつけていた男の顔をちらと想い出した。

「――掏摸が掏られるなんて、だらしがないぞ」

しかし、亀吉はそれには答えず、しきりにポケットの中を探していると、一枚の紙片が出て来た。

それには鉛筆の走り書きで――

「今夜十時中之島公園、図書館の前で待つ」

隼

豹吉へ

二伸 亀吉の二千円は掏らせて貰った。

悪く思うな!

夜のポーズ

落日の最後の明りが築港の海に消えてしまうと、やがて大阪に夜が来た。

太陽の眩しい光に憧がれる人達が姿を消し、夜光虫の青白い光に憧がれる人間共が大阪の盛り場に蠢く時が来たのだ。

難波の闇市場の片隅では――

次郎、三郎の兄弟が相変らず靴磨きの道具を前にして、鉛のようにさびしく、ちょぼんと坐っていた。

昼間の場所は夜になると、真っ暗になるので商売も出来ない。

だから、食堂の光がかすかに洩れて来る場所へ移ったが、さすがに夜は殆ど客は来なかった。

それでも、じっと坐っていたのは、家にたった一人の肉親の母親が病気で臥ているからであろう。