Japanische Klassiker mit Furigana
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よあけまえ
夜明け前
島崎 藤村
Lesen Sie 夜明け前 (よあけまえ) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.172 Zeichen · 206 Bildschirme
「おれもまあ、考えてばかりいたところでしかたがない。あの暮田さんを見送ってからというもの、毎日毎日学校から帰ると腕ばかり組んでいたぞ。」
と妻に言って見せる。
お民の方でもそれはみて取った。彼女は山林事件当時の夫に懲りている。娘の嫁入りじたくもここまで来た上は、男に相談してもしかたのないようなことまでそう話しかけようとはしていない。それよりも、どんな着物を造ってくれても楽しそうな顔も見せないお粂の様子を話しに来ている。
「でも、あの稲葉の家も、行き届いたものじゃありませんか。」とお民が言い出した。「ごらんなさい、お粂が嫁いて行く当日に、鉄漿親へ出す土産の事まで先方から気をつけてよこして、反物で一円くらいのことにしたいと言って来ましたよ。お粂に付き添いの女中もなるべくは省いてもらいたいが、もし付けてよこすなら、その人だけ四日前によこしてもらいたい、そんなことまで言って来ましたよ。」
「四日前とはどういうつもりだい。」
「そりゃ、あなた、式の当日となってまごつかないように、部屋に慣れて置くことでしょうに。よほどの親切がなけりゃ、そんなことまで先方から気をつけてよこすもんじゃありません。