Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

よなきてっこつ

夜泣き鉄骨

海野 十三

Lesen Sie 夜泣き鉄骨 (よなきてっこつ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.273 Zeichen · 31 Bildschirme

Aozora Bunko

それから、時が軸の上を、静かに移ってゆくのが、誰にもハッキリと感ぜられた。時の経つのに随って、一秒また一秒と、恐怖の水準線が、グイグイと昇ってくるのだった。

二分、三分、四分、五分――

夢中で、隣りの男の手を、握りしめた。冷い汗が、腋の下に滲み出して、軈てタラリと肋骨を、駆け下りた。

「キィーッ」

一同は、はッと、呼吸をつめた。

「キィーッ、キィーッ」

呀ッ、いよいよ、泣きだしたのだ。彼等はそれを鼓膜の底に聴いた瞬間、板のように全身を硬直させた。

「キィーッ、キィーッ、ぐうッ、ぐうッ」

彼等は、見えない眼を閉じた。

「キ、キ、キ、キ、キィーッ」

もう堪りかねたものか、一行のうちから、サッと、懐中電灯の光芒が、射るように、高い天井を照した。

「がーッ、がーッ……」

一同は、その怪音のする方を、等しく見上げた。

「呀ッ!」

「ク、クレーンが……」

懐中電灯の薄ら明りに、はじめて照し出された怪物は何であったろうか。それはあの巨大な鉄骨で組立てられたクレーンが、物凄じい響きをあげて、呀ッという間に、全速力で一同の頭上を通り過ぎたのであった。

「ひえーッ」

というなり、彼等は、折角手にした懐中電灯も其場に抛り出して、云いあわせたように、ペタペタと、地上に尻餅をついてしまった。