Japanische Klassiker mit Furigana
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よなきてっこつ
夜泣き鉄骨
海野 十三
Lesen Sie 夜泣き鉄骨 (よなきてっこつ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.273 Zeichen · 31 Bildschirme
「なんだとォ――」
「あのクレーンには、何か怨霊が憑いていて、そいつがクレーンの上で、泣いたり、クレーンを動かしたりするんだ」
「ああッ――」
それを聞くと、誰もが、痛いところへ触られたように、跳び上って駭いた。
「おお、組長」雲的が云った。「誰かが、外で喚いているようですぜ」
「なに、外で喚いているッ」わしは、予期しないことに吃驚して云った。なるほど、多勢の声で、何やら喚いているのが、遥かに聞こえるのであった。「じゃ、みんな、外へ出よう」
一同は、ワッといって、入口の扉の方へ、先を争って駆けだした。ガラガラと、重い鉄扉が、遠慮会釈なく、引き開けられる物音がした。
「おう、組長、大変だア」疳高い声で叫ぶものがある。
わしは、ギクリとした。
「組長」わしの胸倉に縋りついたのは、電纜工場の伍長をしている男だった。「おせいさんが、大変だッ」
「なに、おせいが、一体どうしたというんだ」
「おせいさんが――」伍長は、苦しそうに言い澱んだ。「おせいさんが、熔融炉へ、真逆に、飛びこんでしまった」
「熔融炉へ、飛びこんだ、というのかッ」
わしは、それを聞くなり、おせいの働いていた電纜工場めがけて、矢のように駆け出した。