Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
よながノート
夜長ノート
種田 山頭火
Lesen Sie 夜長ノート (よながノート) von 種田 山頭火 (たねださんとうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.780 Zeichen · 4 Bildschirme
小春日和のうららかさ。のんびりとした気持になって山の色彩を眺める。赤い葉、黄色い葉、青い葉、薄黒い葉――紅黄青褐とりどりのうつくしさ。自然が秋に与えた傑作をしみじみ味わうたのしさ。いつしか、うっとりとして夢みごころになる。自然の無関心な心、秋の透徹した気、午後三時頃の温かい光線が衰弱した神経の端々まで沁みわたって、最う社会もない、家庭もない――自分自身さえもなくなろうとする。
けたたましい百舌鳥の声にふっと四方の平静が破れる。うつくしい夢幻境が消えて、いかめしい現実境が来る、見ると、傍に老祖母がうとうとと睡っている。青黒い顔色、白茶けた頭髪、窪んだ眼、少し開いた口、細堅い手足――枯木のような骨を石塊のような肉で包んだ、古びた、自然の断片――ああ、それは私を最も愛してくれる、そして私の最も愛する老祖母ではないか。
老祖母の膝にもたれて『白』と呼び慣れている純白な猫が睡っている。よほどよく睡っていると見えて、手も足も投げ出して長くなれるだけ長くなっている。かすかな鼾の声さえ聞える。
その猫の尻尾に所謂『秋蠅』が一匹とまっている。じっとして動かない。