Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆめどのさつじんじけん
夢殿殺人事件
小栗 虫太郎
Lesen Sie 夢殿殺人事件 (ゆめどのさつじんじけん) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.755 Zeichen · 55 Bildschirme
盤得尼のは階段を下りながら、正面から光線をうけた時眺めたものなんだ。寂蓮と智凡は横手からだが、陽差の位置に依って、眼に映った色彩が異っている。扨、これからどう云う結論が生れるか、今はまだ皆目見当がつかないのだがね。然しこれだけ集めるのに、僕は大変な犠牲を払ってしまったよ。寂蓮尼に、推摩居士の屍体を解剖しないと約束してしまったのだ」
三、吸血菩薩の本体
それから三日後に、法水と検事は再び寂光庵に赴いた。が、それまでに彼が得た情報と云えば、穴蔵に横たえた推摩居士の屍体に、瑜珈式仮死を信じている寂蓮尼が凄惨な凝視を始めた――と云う事のみだった。その食事も採らず一睡もしない光景からは、聴くだけでも、慄然とするような鬼気を覚えるであろう。二人が寂光庵に着いた頃は、恰度雷雨の前提をなす、粘るような無風帯の世界であった。が、入るとすぐに普光尼を呼んだ。然し、法水だけは、案内の尼僧が去ると同時に室から出て、普光尼が来てから大分経って戻って来た。
「僕は貴女だけに聴いて頂いて、当時貴女が、伝声管から聴き洩らした音を憶い出して頂きたいのです。所で、その前に、犯人が一体どう云う方法で、密室から脱出したものか――それをまず、お話する事にしましょう」