Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆめどのさつじんじけん
夢殿殺人事件
小栗 虫太郎
Lesen Sie 夢殿殺人事件 (ゆめどのさつじんじけん) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.755 Zeichen · 55 Bildschirme
勿論そう云う吸血現象があったがために、下方に流れた血が少なかったのだ。だが支倉君、当然そうなると、そこに重量と膨脹と云う観念が起って来るだろう。実は、浄善尼を扼殺した四本の手も、同様其の中に蠢いていたのだよ。で、血を吸い尽した曼陀羅の干茎が、無気味に膨脹すると云う事は、斯う判れば、改めて云う迄もない事だろう。けれども、一方全長に於いても、恐らく五分の一以上も伸びたに違いないと云うのは、階段に血痕を残さず、推摩居士を上り口に下ろしたのを見ても判る事なんだ。つまり浄善尼は、重量の加わった玉幡の裾を咽喉に当てられ、おまけに、猛烈な廻転までもさせられてしまったので、結局それが、頸椎骨の脱臼までも惹き起す原因になってしまったのだよ。そこで、犯人はどうしたかと云うと、玉幡を吊した紐の片方を、階段の上層の壁に持って行って、膨らんで推摩居士をしっくりと包んでいる、玉幡を動かして行った。そして、四つの幡を合せた剔り紐を引き抜いて、予め両脇に廻らして置いた紐を徐々に下ろして行ったのだ。それから、吊り紐を旧通の位置にしてから、その裾を二列に合せて、四つの幡の裾を浄善の咽喉に当てたのだがね。