Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おおきいたび

大きい足袋

宮本 百合子

Lesen Sie 大きい足袋 (おおきいたび) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.435 Zeichen · 3 Bildschirme

Aozora Bunko

と云って肩をゆすって笑う。「田舎でもねー」と流石大足の私も十二文ノコウ高には少々驚かされる。二三町行くと又足袋屋があったらこんどのは今の家よりは構も店さきが大きく、三四人の番当や丁稚が火鉢をかかえて円くすわって一番年かさらしい一人が新聞のつづき物を節をつけて読んできかせて居たが「今晩」と云うどら声がいきなりひびいたので読のをやめて一度にふりかえったがじいやがあんまり変な形をして居るので眼を見合してニヤニヤして居る。じいやは一向そんな事にはとんじゃくなく「十二文ノコウ高はありませんかねー」と又ここでもくりかえした。「何をあげましょう」と云って出て来た十四許になる小僧は大きく目を見はって「エ、十二文ノ――コウ高ですって、十文のこう高のまちがいじゃあありませんか」と云って火鉢の方をふりかえってうす笑いをする。じいやはニヤリともしないで「なんぼもうろくしたっても自分の足の大きさまで忘れやしまいし」と云ってじれったそうにどぶ板をカタカタとふみならして居る。私は軒先に立って面白い問答をききながら向いの雑貨店の店さきで小さい子供の母親の膝にもたれて何か云ってあまったれて居るのを自分もあまったれて居るような気になって望めて居る。