Japanische Klassiker mit Furigana
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たいしかんのしまつきかん
大使館の始末機関
海野 十三
Lesen Sie 大使館の始末機関 (たいしかんのしまつきかん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.934 Zeichen · 20 Bildschirme
金博士の頭蓋骨は粉砕せられ、こんどこそ息の根がとまったろうと思われたが、あにはからんや、粉砕したのはシャンデリアだけであった。博士は相変らず、銅像のように部屋の真中に突立って居り、そして、首にかかったシャンデリアの枠を、面倒くさそうに外して床の上に放りだしただけであった。
「王老師。見ましたか。あれではシャンデリアが饅頭の皮で出来ているとしか思えないですぞ」
「ばかいわっしゃい。あの落ちた音で分るが、大した重さのものだ。ほほ、注意、博士が椅子に坐るぞ」
「椅子に坐ることが、何か重大なる意味があるのですか」
「まあ、黙って見ていりゃ分る」
金博士は、散乱した硝子の砕片を平気で踏んで、窓際に置かれてある安楽椅子に腰を下ろそうとして、椅子に手をかけた。
「ほら、腰をかけるぞ」
金博士がその安楽椅子の上に腰を下ろすのが眺められた。とたんに、あーら不思議、博士の身体はぶーんと呻りを生じて空間を飛び、大きな音をたてて壁にぶつかった。
「ほら、あれを見たか。あれが、叩きつける“椅子”じゃ。あれでは硬い壁に叩きつけられて、生身の人間は一たまりもあるまい。可哀そうに死んだか」