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Japanische Klassiker mit Furigana

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おおとねのおおものつり

大利根の大物釣

石井 研堂

Lesen Sie 大利根の大物釣 (おおとねのおおものつり) von 石井 研堂 (いしいけんどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.600 Zeichen · 17 Bildschirme

Aozora Bunko

立派な本職だ。』

船『本職が何時も敵はないんですもの。』

お茶屋主人の好く釣ること、聴く毎に嘆賞すべきことのみにて、釣聖の名あるも空しからざるを知りぬ。

船『私どもを連れて来ましても、船を扱わせるだけで、場所の見立ては、何時も御自身なのです。も一尺岡によれとか、三尺前に進めろとか、鈎先はそりゃ喧ましいです。それだから又釣れますので、幾ら名人でも、地が分らなくては釣れっこ無しです。時によると、遙々お出になっても、水色が気に入りませんと、鈎をおろさずにふいとお帰りになります。こればかりでも並のお方の出来ないことですよ。』

『左様だて、来た以上は、少し位水色が悪かろうが、天気が悪かろうが、鈎おろさずに帰るということは出来ないさ。聴けば聴く程感心な、奇麗な釣だね。』

釣り場は、僅数町の上流なるにぞ、間も無く漕ぎ着きぬ。漁史は、錨綱を繰り放つ役、船頭は※突く役にて、前々夜、夫のお茶屋釣聖のかかりという、切っぷの大巻きに鈎尖の漂う加減に舟を停めぬ。日光水面を射て、まぶしさ堪えがたかりしも、川風そよそよと衣袂を吹き、また汗を拭う要無し。

仕掛、座蒲団などを舳の間に持ち往きて、座を定め、水色を見ながら、錐打ち鈴刺す快心、得も言われず。