Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おおえどおうごんきょう

大江戸黄金狂

野村 胡堂

Lesen Sie 大江戸黄金狂 (おおえどおうごんきょう) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.754 Zeichen · 53 Bildschirme

Aozora Bunko

赤崎才市の話は、厄介の貝六の肝を奪いました。二朱や一貫の強請を大きい事にして居る貝六に取って、七万両の世界は、何んと言う途方もない――想像を絶した境地だったでしょう。

「旦那、――そ、そいつは驚いたね、あっしなら、七万両が七十両でもオンの字だが、斯うなりゃ意地だ、見事七万両を手に入れて、山吹色の山の上で昼寝をして見たくなったよ」

「好い心掛だ、その気で一つやってくれ」

「差当り何をやらかしゃ宜いんで、旦那」

「ちょいと、女の子を一人さらって、若い武家を一人睡らせるんだ」

「ヘエー、安く言うが、そいつは大仕事だぜ」

「そんな気の弱いことじゃ、七万両の夢を見るのも六つかしいぞ、宜いか、貝六」

赤崎才市は貝六の耳に口を寄せました。

「お、擽っ度え」

「贅沢を言うな、汚ない耳だなア、たまには掃除をしておけ」

「其処までは届かねえ」

「寝物語なんてものを用いないからだよ」

無駄を言いながら、何やら囁く二人、それを奥の一と間から、凝と耳を済まして聴いて居る旅の雲水のあることには気が付きませんでした。

旅の雲水、名は空善、これも同じような不思議な手紙を貰って、箱根の間道へと急いで居たのです。