Japanische Klassiker mit Furigana
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おおえどおうごんきょう
大江戸黄金狂
野村 胡堂
Lesen Sie 大江戸黄金狂 (おおえどおうごんきょう) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.754 Zeichen · 53 Bildschirme
「貴殿は?」
「万田龍之助――不倶戴天の親の敵、覚えたか」
「何? 貴公が万田龍之助」
「いかにも」
五十日月代、腐った羽二重、禿ちょろの朱鞘、長刀になった麻裏を突っかけた、三十五六の万田龍之助があって宜いものでしょうか。
「万田龍之助氏は、拙者はまだ対顔しないが、十八九の前髪立の美少年と聞いたが――」
「いや、ツイこの間まで若衆であったよ、前髪を落して急に老けて、こんなに小汚なくなったが喃――」
ヌケヌケと青髭の跡をさすって笑う不敵さ、
「何んと言う」
「いつまでこの顔を眺めて居ても、老けたものは若くはならぬが、拙者は正に万田龍之助、親の敵だッ、来いッ」
ギラリと抜いた一刀、万田龍之助と名乗る赤崎才市は、片手上段に振り冠って、ニヤリと笑うのです。
「意趣を言えッ、次第によっては、相手になろう」
「親の敵――で悪ければ兄の敵、それで気に入らなきゃ朋輩の敵だ。怯れたか山浦」
「それ程に言うなら相手になろう」
山浦丈太郎は相手の顔色から、兇悪な企らみを読んで取ると、心にうなずいて一刀を引抜きました。
「いよいよ抜いたな」
「応ッ」
「行くぞッ」
刃の切先と切先が噛み合いました。