Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.722 Zeichen · 286 Bildschirme
同じような笠が揃って四五名、まだ士農工商のいずれともわからないが、こちらへ向いて四五名が隊をなしてやって来る姿が、豆のように見えることは確かです。
もう、人が入って来ないはずの白骨の温泉。集まった人は、この間、綺麗に解散をしてしまったはずの温泉。これから春、雪の解ける時までは、人跡の絶ゆるということを予想していたこの温泉へ、今となって入り込んで来るのは穏かではないようにお雪が感じました。何か特別の目的があり……そうでなければ――お雪がふと思い当ったのは、もしや、あの塩尻峠の時の侍たちがあとを慕って仕返しに来たのではあるまいか。
そう思って見ると、今し、山道を下って入り込んでくる四五名の人数が、お雪にとっては容易ならぬ脅威のように思われてなりません。そこでなんとなく胸が落着かないで、振返り振返り、茶堂橋を渡ると、右の人たちの姿も、木の間に隠れてしまいました。
ほどなく、その山かげから歌をうたう声が起りました。遠く響いて来る歌の声は聞えるが、それが何の歌であるかわかりません。ちょっと耳を傾けていたお雪は、ややあって、ああ詩を吟じているのだとさとりました。