Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.722 Zeichen · 286 Bildschirme

Aozora Bunko

「ええ、ようござんす、そうして置いて下さい」

「そうですか、それじゃ枕を持って来て上げましょう」

茂太郎は取ってかえしました。

お銀様は立って、その蒲団を程よいところへしきのべた時分には、弁信法師のことはわすれていました。弁信もまた、それきりで、どこにいたのだか、どこへ行ったのだか、最初からわからないままです。

まもなく一つの箱枕を持って来た清澄の茂太郎は、燃ゆるばかりの緋絹の広袖の着物を着ていました。

そこでお銀様が、

「たいそう綺麗な着物を着ていますね」

「ええ、もとは坊さんの法衣だったのです、それをお雪ちゃんが、あたいに拵え直してくれました」

「そうですか」

茂太郎は今、下着には、あたりまえの袷を着て、その上へいっぱいに緋絹の広袖を着ているのですから、その異形のよそおいが、たしかに人の目を引きます。けれども、その緋絹が無用になった坊さんの法衣を利用したものと思えば、出所が知れているだけに、不思議でもなんでもありません。

「お雪ちゃんというのは、あなたの姉さんですか」

お銀様は、この子供の言葉尻を利用することを忘れませんでした。

「いいえ、お雪ちゃんは、ここのお寺の娘さん分ですよ」