Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.722 Zeichen · 286 Bildschirme

Aozora Bunko

がいいましたよ、田山さん、あなたは水が生きている、波が七情をほしいままにしているといったではありませんか、生きているものの音に七情の現われはありませんか?……と、こういわれて私はハッと気がつきました。それお聞きなさい、大海の波の音が、今、諸法実相を教えていますといわれたとき、ゾッとしたのです」

田山白雲は、大の身体をゆすぶって、その目から涙をこぼして、拳をわななかせました。

田山白雲は暫くして、昂奮から醒めたように冷静になって、

「日蓮の遺文集を読み出したのは、小湊滞在中の記念です。私はその十日の間に、日蓮の遺文全部を読みました。片田舎の子供が初めて海を見て、水が生きてる! といったように、人間が生きている! と腹のドン底から動かされたのは、その時です」

と言って白雲は、また行李の中をさぐって、別に一小冊子をとりだしつつ、

「駒井さん、あなたは日蓮をお読みになりましたか。日蓮をお読みになるならば、直接にその遺文集を読まなければなりません、後人の書いた伝記、注釈、すべて無用です。また騒々しいお会式の太鼓の雑音の中で、凡僧の説教や、演劇の舞台や、土佐まがいのまずい絵巻物の中から、日蓮上人を見てはいけません。