Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.722 Zeichen · 286 Bildschirme
だから、力があったって、喧嘩をすることなんかできやしねえ」
「力は喧嘩のためにばっかり使うもんじゃあるめえ」
「だって喧嘩の時に使わなけりゃ、力があったって詰らねえや」
「そうでもあるめえ」
その時、子供の一人が急に下の方をながめて、
「ああ、それムクが来たよ」
「ムクが来た」
子供たちのすべてが傘をあみだにして下段の方を見ると、ムク犬が首に小笊を下げて、悠々とのぼって来る。
今ではこの犬も、同じところの屋敷に、同じように客となっている。
そうして、小笊を首に下げては、里へ買物に行くのを仕事の一つとしている。最初は怖れていた村の子供も、今はこの犬を畏愛するようになっている。
子供たちはムクを中にとりまいて上りはじめる。お化けのことも、お人好しのことも、もう問題にはなっていない。
「犬ハヨク夜ヲ守ル、人ニシテ犬ニ如カザルベケンヤ」
背の高いのが、大きな声で叫び出す。
「太郎ドンノ犬ハ白キ犬ナリ、次郎ドンノ犬ハ黒キ犬ナリ」
負けない気で、あとをつづけた鼻垂小僧。
「油屋ノ縁デスベッテコロンデ……」
と歌い出した涎くり。
こうして犬を擁した子供らは、石段をのぼりつめて冠木門をくぐると、