Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.722 Zeichen · 286 Bildschirme

Aozora Bunko

「吹いてごらん、いくらでも」

お銀様は、その呪いそのもののような面に、凄い笑いを漂わせて、茂太郎の口をおさえました。

四

お銀様の膝をのがれ出た茂太郎は、弁信に向っていいました、

「弁信さん、奥にいるおばさんはこわいおばさんですよ、人の子を取って食べるんですとさ」

「そばへ寄らないようにおし」

「嘘でしょう、千人の子供を取ってたべるなんて……」

「それは鬼子母神のことです」

「でも、鬼子母神様の生れ変りだっていいましたよ。ナゼ、鬼子母神様は、人の子を取って食べるの?」

「それは愛に餓えているからです……」

弁信法師はこういって、その話を打切って、二人は例の如く枕を並べて寝に就きました。

その夜は無事。

翌日になって、またしてもこの寺へ一人の珍客がやって来ました。

それは武州高尾山の半ぺん坊主が、やけに大きな奉加帳を腰にブラ下げて、この寺に乗込んで来たことで、

「こういうわけで、今度お許しが出ましたから、またまた山を崩し、木を伐って、車を仕掛けることになりました。ところで、役人の方はうまくまるめちまいましたが、工事をうまくまるめるには、別にそれ、丸いものが余分にかかりますでな……」