Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.722 Zeichen · 286 Bildschirme
れたことがある。その辺を心配してみると、この危険区域には、うっかり碇を卸せなくなるはずです。
で、結局、どう思案がついたか腰を浮かしながら、
「待てよ……あの寺で、おれの姿を見ると、慌てて縁の下へ隠れたのは、ありゃ清澄の茂太郎だ」
とつぶやきました。なるほど、がんりきほどの眼力で、子供の隠れんぼを見落すはずもあるまい。
その時分、幸か不幸か茂太郎は、
いっちく
たっちく
ジンドコウ
そういいながら、ちょうど、この宮の台の原へ馳せ上って、ほとんど、がんりきの眼前咫尺のところまでやって来たものですから、
「おい――茂坊」
「おや?」
清澄の茂太郎が、ギョッとして立ち止まりました。
「茂太郎」
「あ、お前は……」
「お前こそ、どうしてこんなところに来てるんだい、両国橋にいれば、ああして人気の上に祭り上げられて、栄耀栄華が尽せるのに、なんだってこんな山ん中へ逃げて来ているんだい。叔父さんと一緒に帰らねえか、親方もお前を待ちきってるぜ、御贔屓筋もお前をさがしている。江戸へ行けば、お前は人気の神様で、金の生る蔓を持っているのに、なんだってこんなところに隠れてるんだい。さあ、叔父さんと一緒に帰らねえか」