Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.722 Zeichen · 286 Bildschirme

Aozora Bunko

「いつ、ここへ入って来ました?」

「いつ……? 今、あなたにお聞きしたんじゃありませんか、それで、あなたがいいとおっしゃったから入って来たのよ」

「そうでしたか、拙者がいいと言いましたか」

「いいましたとも」

「そうでしたか……」

田山白雲が呆れ返ってながめると、その上に解せないことは、この美人が後生大事に胸に抱きかかえているものがあります。

それが人間の生首でなくて仕合せ。

「あなた、わたし、今日、鋸山の日本寺へ参詣して来たのよ、一人で……」

「そうですか」

「そうしてね、途中で美い男にあいましたのよ、それはそれは美い男」

「そうですか、それは結構でしたね」

白雲がしょうことなしに話相手になりました。

「あなたより美い男よ……」

「そうですか、わたしより美い男でしたか」

と白雲が苦笑いしました。

「ですけれども、あなたも美い男よ……美い男というより男らしい男ね、あなたは……」

「大きに有難う」

「ですけれども、茂太郎も美い子ね、あなたそう思わなくって?」

「左様……」

「そうでしょう、あのくらい美い子は、ちょっと見当らないわ」

「そうかなあ」

「それに第一声がいいでしょう、あの子の声といったら素敵よ。