Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.722 Zeichen · 286 Bildschirme
江戸を計るものは、甲州を慮らなければ仕事ができない、家康も甲州の武田が存する以上は天下が取れなかったのだ、甲州は捨てておけない」
と言いますと、神楽師の長老が眉根を曇らせて、
「甲府が関東の険要であるとおなじ理由によって、飛騨の国が京畿の要塞になるのでござる――ごらんなさい」
と言って懐中から一枚の地図を取り出して、南条力の前にひろげ、
「ごらんの通り、飛騨の高山は、彦根に対して俯して敵を射るの好地にあるではござらぬか、加賀と尾張の二大藩を腹背に受けているようではござるが、一方は馬も越せぬ山つづき、一方は大河と平野によって別天地をなしてござる、一路直ちに西へ向えば、彦根までは手に立つ藩はござらぬ、飛騨を定めてしかして後に……」
話ぶりによると、南条力はまず甲州を取らなければならぬといい、神楽師の長老は、それよりも飛騨を取るのが急務であると主張し、おのおの天険と地の利を説いて相譲らないらしいが、なにぶんにも二人の会話は、席の中心を離れた内談だから、中央の高談放言に消されて、その話がよく聞えない。ややあって神楽師の長老が、
「では、貴殿、ともかく高村卿におあいくだされよ、今明日あたり当地へおつきのはずでござる」