Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.722 Zeichen · 286 Bildschirme

Aozora Bunko

けれどもお雪は、眼が見えなくても、刀は使えるものだとうすうす信ずるようになって、

「それでも先生、もうおよしなさいましよ、ああいう時は早く逃げて、相手になさらないようになさいまし」

「逃げるったって、逃げられないじゃないか」

と竜之助が言いますと、

「全く困ってしまいましたわ。つまり運がよかったんですね」

ここでも運の一字で、偶然と必至とに結論をつけようとしている時、下の座敷で、にわかに足拍子の音が起って、声を合わせて歌い出したものですから、

「木曾踊りが始まりました」

こころナアー

ナカノリサン

節面白く歌う木曾節は、

こころナアー

ナカノリサン

心細いよ

ナンジャラホイ

木曾路の旅は

ヨイヨイヨイ

笠にナアー

ナカノリサン

笠に木の葉が

ナンジャラホイ

舞いかかる

ヨイヨイヨイ

お雪も、竜之助も、二階で、その歌と足拍子を、手に取るように聞いておりましたが、

「先生、木曾踊りがはじまりました。夏の盛りの時は、あれが毎晩のようにあったんだそうですけれど、もう人が少なくなったものですから、きょうは納めの木曾踊りだそうですよ」

お雪は、その歌と踊りの音に、そそられたようですけれども、竜之助は、さほど多感ではありません。