Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.272 Zeichen · 313 Bildschirme

Aozora Bunko

「もう今日で七日というもの、ああやって頑張って、動こうともしないで、見せつけがましい金番をしているのは、なんて図々しい奴でしょう」

「ふーむ」

主膳は同じく聞き流して、サラサラと入木道を試みる。

「それで、夜になると、何ともいえないいやな手つきをして銭勘定を始めるのです、昨晩なんぞはごらんなさい……」

お絹が躍起になる。主膳は入木道の筆を休めて面を上げると、朝日が障子に墨絵の竹を写している。

「他ノ珍宝ヲ数エテ何ノ益カアルト、従来ソウトウトシテ、ミダリニ行ズルヲ覚ウ……」

と神尾主膳が柄にもないことを呟きました。けれどもお絹の頭には何の効目もなく、

「昨晩あたりの気障さ加減といったら、お話になったものじゃありません、慶長小判から今時の贋金まで、両がえ屋の見本よろしくズラリと並べた上、この近所の地面を買いつぶして、坪一両あてにして何百両、それに建前や庭の普請を見つもってこれこれ、ざっと三千両ばかりの正金を眼の前に積んで、この辺でお気に召しませんか、お気に召さなければそれまでといいながら、またそのお金を、何ともいえないいやな手つきで蔵いにかかるところなんぞは、男ならハリ倒してやりたいくらいなものでした」