Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.272 Zeichen · 313 Bildschirme
弁信さん。
あなたの安心のために、わたしはこのごろの生活ぶりを、逐一記してお知らせ致したいと存じます……」
ここまで筆を運んで、お雪はほつれかかる髪の毛を撫でました。お雪はこのごろ、髪を洗い髪にして後ろへ下げて軽く結んでいる。自分もこの洗い髪がさっぱりしていると思うし、人もまた、お雪ちゃんには似合っていると褒めもする。山中、外出の機会もなし、慣れてしまえば誰も、それを新しい女だといって誹るものもありません。
「外へ出て見ますと、周囲の高い山から、雪が毎日、下界へ一尺ずつ下って参ります。やがてこの雪が、山も、谷も、家も、すっかり埋めてしまうことでしょうが、まだ、谷々は、紅葉の秋といっていいところもありますから、お天気の良い日は、わたしは無名沼のあたりまで、毎日のように散歩に出かけます。
温泉の温かさは、夏も、冬も、変りはありません。このごろ、わたしは一人でお湯に入るのが好きになりました。一人でお湯に入りながら、いろいろのことを考えるのが好きになりました。
大きな湯槽が八つもありまして、それぞれ湯加減してありますから、どれでも自分の肌に合ったのへ入ることが自由です。